後鼻漏の始まり

ごく小さかった頃の記憶で、尖らせた唇を片側に寄せて一方の鼻(たしか左)をよくすすっていました。親に、「なんでこんな風にするんだろ?」と言われていた記憶があります。さらには鼻をクンクン言わせることが多く、「鼻はかみなさい、すすっちゃダメ。」と言われていました。

でも私の感覚ではクンクン言っている時は、すすっているのではなく鼻の奥から喉に落ちてくる鼻水(ものすごく粘っこい)を鼻から出したくて鼻の奥に力を入れている状態だったのです。鼻をかむ時の要領でフンと空気を鼻から出す動作、あれを軽く何度もやっているような感じです。

鼻水が鼻から出ずに喉の方へ落ちていく不快極まりないこの症状を「後鼻漏」と言います。私がこの言葉を知ったのはずいぶん昔だと思いますが、ある薬剤師さんには、この言葉を知っているだけでも相当に具合が悪いねと言われました。それだけマイナーだということです。最近でこそよく聞くようになりましたが。

副鼻腔炎や上咽頭炎で起こりやすい症状で、健康であればサラサラの鼻水がネバネバになって鼻や喉の奥(上咽頭)に貼りつき、鼻をかんでも出ない、仰向けになると喉に落ちる、鬱伏せになると鼻が詰まる、飲み込むのは吐き気がする、会話や食事の最中に鼻水で溺れそうになる…と付随する症状は他にもあるんですが、とにかくもう拷問のようなつらさなのです。
子供の頃はそれをうまく言葉で言い表せなかった上に、病院でも後鼻漏などと説明はありませんでした。上咽頭は図の通りとても見えづらい部位で、今でも研究が進んでいないんだそうです。

最近になって知ったことですが、私は上顎がかなり小さくて鼻呼吸がしづらい上に、左側が特に狭いのだそうです。これはファイバースコープで診てもらった先生に言われました。いつも鼻の左側が特に具合が悪いと話すと、そのことが関係あるのではということでした。
鼻中隔湾曲症と言われたことはないのですが、鼻も見た目にわかる程度に曲がっていますし、骨格的な問題も影響するということみたいです。

後鼻漏は未だに根本的には解決できておらず、他の病気の引き金にもなりました。症状を軽減する方法はいくらかわかってきたので、そういう話もこれから書いていきたいと思います。

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