一人暮らしの経験
大学生の頃から5年間、私は一人暮らしをした経験があります。それまでずっと親元にいて、学校に行くのも大変だった私にとって、それは大きな冒険でした。親もそんな娘を家から出すのは断腸の思いだったろうと思います。高校を通信制高校に変えてから少しは体調が上向いたこともあり、また志望大学に合格して将来への希望を持っていたこともあり、やってみようという気持ちが持てたのです。
部屋は、駅からすぐの商店街を抜けた所に決めました。これは本当に大正解で、商店街は色々と助けになってくれました。評判のいい病院を教えてもらったり、天井の明かりが切れたら取り替えに来てもらったり。家の前のパン屋のおじさんとはいつも挨拶していました。インターネットが使い放題ではなかった時代なので、商店街の人たちはありがたい情報源でした。
家事は家を出る前に母に教わってはいましたが、手伝いなどろくにしなかった私の1番の心配事でした。
料理は簡単な煮物が中心。あとは惣菜、学食、インスタント。ご飯を炊いて、おかずが1品あれば満足だったので、栄養は随分偏っていたと思います。爪がフニャフニャになったりしました。掃除、洗濯は学生時代はそこそこやっていたと思いますが、社会人になったら週末しか家事をする余裕がなく、かなりルーズになりました。洗い物は特に、溜め過ぎてコバエが大量発生したりしました。
お金の管理は家計簿をきっちりつけて、自由に使えるお小遣いはいくらかも決めていました。家事についてもそうなのですが、私はルールを決めるとそれにかなり縛られる性質なので、今考えるとそれが功を奏したとも言えます。
心配なのは寝込んだ時ですが、やはり一人で暮らしていて寝込んだことは何度もありました。とにかく近くの病院へ行って、商店街ですぐに食べられるものばかり(レトルトおかゆとかプリンとか)買いこんで、寝ていました。友人や親戚に来てもらったこともありましたが、人に料理や買い物を頼むとかえって色々(こだわりの面で)気になってしまうことがありました。
あと特に怖いのは、新聞勧誘や訪問販売。新聞勧誘はとてもしつこかったり、お試しと言って後から契約を切れなくさせたりタチの悪い人がいました(親が消費者センターに連絡した)。訪問販売は浄水器の販売員を部屋にあげてしまって、しかも食事に誘われたことがありました。人を疑わず言葉を真に受けたりしやすい人は要注意です。いろんな勧誘に気を付ける必要があります。私も今思い出すとヒヤヒヤするような場面が結構ありました。
今また一人暮らしできるかというと、もう無理だと思ってしまいます。健康状態があの頃より悪いというのもありますが、怖いものが色々増えてしまって不安なのです。でも一人暮らしの経験は、自分で自分のことを一通りやれるという自信になりました。今は以前と同じようにできないこともありますが、良い経験をしたと思います。
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