初めての心療内科

高校生の時、病院通いをしてもなかなか体調が良くならない私を、母が大学病院の心療内科へ連れて行きました。知人に評判が良いからとすすめられたそうです。

私は身体の具合が悪いと訴えているのにメンタルの専門科へ連れて行かれるのが不本意でした。当時、心療内科というのはまだそんなにメジャーではなかったと思います。今だと精神科とそんなに大きくは違わないと感じるんですが、あの頃は「心の問題で身体の具合が悪くなってる人が行く所」というふうに聞かされました。

待合室で、問診票を長々書かされるわけですが、母がそれを記入していたのを私は横でふ〜んと見ていました。(本人が書くべきだったでしょうに)
診察室には母も一緒に入り、私が若い先生にいろいろ尋ねられるのを聞いていました。受験に失敗したことや体調が悪くて辛いことなどを話したと思います。
父親について聞かれた時に「厳しいけど普段は優しい」みたいなことを言って、「いいお父さんなんだ」と先生に言われ、「はい」と私がはにかむと母が満足げにしていた様子を覚えています。

その後、今度は年配の偉い先生がいる部屋に通されました。大学病院なので、隅に学生たちもいました。勉強のため、実際の患者とのやり取りを見学しているのです。
その先生は、私と話し始めてすぐにこう言いました。

私は驚きました。若い先生の問診を又聞きしただけで、私からは何も聞いていないのです。
「あなたは優等生タイプで、挫折を味わい劣等感を抱いている。」
そう言われました。なんというステレオタイプ。さらには看護師さんに「名簿を持ってきて。」と言い、いきなり集団療法のグループのようなものに入るよう言われました。

私はやっぱりここにきたのは間違いだったと思いました。皆でレクリエーションをしても、私のこの具合の悪さは治るはずがないと思いました。それで「私は入りません。そんなの必要ありません。」と言いました。学生たちは戸惑いの表情を見せ、先生は異様なものを見るようにこちらを見ていました。「それじゃあなたはここに何しに来たの?」と。
「体調が悪いと言ってるのに連れてこられただけです。」とかなんとか言って帰ったのだったと思います。家に帰ってがっかりして泣きました。

初の心療内科体験がこういうものだったために、その後私は心療内科や精神科にかかることを随分ためらいました。
今はメンタルクリニックに通院していますが、初診は全く違ったものでした。先生はコロコロ変わらないし、親や学生たちの視線もないし、いきなり何かのグループに入れられることもありません。
私が劣等感を抱いていることはたしかだと思いますが…。

もしあの時、違う先生に出会っていれば、何か変わっていたのでしょうか。

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