鬱の象徴

最近『ハリー・ポッター』を読んでいるのですが、物語の中に「ディメンター」という恐ろしいキャラクターが出てきます。このディメンターはゾンビが黒マントを羽織ったような姿をしていて、人から幸福感や活力を吸い出し、魂を奪います。近くにいるだけで暗く冷たい気分になり、長くそばにいると抜け殻のようになってしまうそうです。この話を読んだ時、これって鬱の時の気分だと思いました。そしてまさにこれは作者が鬱病を患った時の経験が活かされて描かれたものなのだと知りました。

気持ちは気の持ちようなどと言いますが、そのコントロールができなくて、周りの人や環境に影響されて気分が害されやすくなるのが気分障害なのかなと思います。気分を切り替えることができないというより、幸福感やポジティブな気持ちを吸い取られてしまっているといったほうが良い状態です。

私の場合、気持ちを正常に保って過ごしたいのに、嫌なことばかり加点されていきます。嫌なことのほうがインパクトが大きくて記憶されやすいからです。だから誰とも何も関わりたくなくなるのです。鬱だけでなく躁のイライラの時にも、「今この人と話したくない」「今この話を聞きたくない」という気持ちが強くなります。それは防衛本能だと思います。
私の家族はこういう私の状態を理解していないので、いらぬ話をしてきて私を苛立たせたり落ち込ませたりします。非常にデリカシーがないと感じますが、私の感じ方もとても敏感になっているのだろうと思います。

『ハリー・ポッター』ではディメンターに対抗するには、守護霊を呼び出す呪文や、恐怖の対象を可笑しなものに変える呪文を唱えたりします。私も魔法が使えたらいいのになあと思います。元気を取り戻すためにチョコレートを食べるのも良いそうです。私の場合は薬を飲んだりもしますけど。今まで色々試してきて対抗するのはなかなか難しいということはわかっていますが、なんとか魂を奪われないようにやっていきたいです。

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