転校した時のこと

小学4年生の時、親の仕事の都合で転校をしました。ちょうど今のシーズン、夏休み明けの2学期からでした。

引っ越す前に住んでいた社宅の幼なじみたちは、親が転勤族で皆引っ越してしまっていたし、学校には私をからかうクラスメイトがいてしょっちゅう嫌な思いをしていたので、親の転勤が決まったと聞いた時には「やったー!」と喜んだのを覚えています。
ただ1つ、大好きだった担任の先生とお別れするのが残念でした。1年生の時にも担任でとてもお世話になった先生でした。

新しい学校のクラスに転入した時、同じクラスの転校生は私ひとりでした。転校生を積極的に仲間に入れようとしてくれる子もいて、グループ決めなどの時に孤立することはなかったのですが、やっぱりからかってきたりするいわゆるいじめっ子がいました。私は陰湿ないじめにあったことはないのですが、からかいの対象にはよくなっていました。表情や口調を真似されたり笑われたり、変なあだ名で呼ばれたりするのはとても嫌なものでした。

女の子の間ではゴム跳びが流行っていましたが、一緒にやろうと誘われても私は「私いい。ここで外見てるから。」と言ったらしいです(後でクラスの子が言ってた)。皆と遊びたくなかったというよりゴム跳びが嫌いだったのです。窓から家の方角をただじっと見ていました。
担任の先生は優しい女性の先生でしたが、「あなたから皆の輪に入ろうとしなきゃダメ!」と無理やり私を引っ張り出そうとしたので、私は頑なに抵抗しました。そして家に帰ると、前の担任の先生に会いたいと泣いていました。

そのうちに、地味な男の子たちに混じってノートにひたすら迷路を書いたり、ガンダムの話をしたり(全種名前を覚えていた)、カードゲームをしたりするようになりました。いわゆるオタクタイプの子たちと話が合ったのだと思います。

何がきっかけだったか忘れましたが、その後クラス1の優等生の女の子と仲良くなりました。覚えているのは彼女が私の変なひとり遊びを面白がってくれたということです。校内をうろついて窓の外を見て、人と目が合いそうになるとパッと隠れる…とかそういうことをやっていたのです。彼女も一緒にやるようになりました。
それからは、互いの家に遊びに行ったり、交換日記をしたり、何かと一緒に過ごしました。私は二人でいつも行動するような友達がそうそうできるほうではありませんが、あの子とはあの頃は本当にいい友達でした。次の学年に上がった時には同じクラスになれたのですが、先生方に配慮してもらえたのだと後で知りました。

5、6年生は同じクラスメイトで、そこそこ楽しく過ごせたし友達もできましたが、それとは関係なく私は月曜日によく学校を休みました。休むとクラスメイトや先生が家を訪ねてくることがありましたが、私は絶対に顔を見せませんでした。
今思えば、ちょっとしたひきこもりだったのかもしれません。とにかく無理強いされたり、事情を聞き出そうとされるのが嫌でした。我ながら難しい子供だったなあと思いますが、今もあまり変わっていないのかもしれません。

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