家族の野心

先日、父が「版画に凝ってるらしいね。」とメールしてきました。
ぬいぐるみ作りにはまって16体作り続けた後、材料もネタもなくなって次に始めたのが、版画作りなのです。母の日の頃にアマビエを刷ったものを1枚実家に送ったので、それを見たからかもしれません。

はがきサイズのものを作っていると話したところ、「大きいのにも挑戦して個展をやったらどうかな。」と言われ、またか、と思いました。

うちの親は昔から私が何かを作ったと言うと「売れるんじゃない?」とか「個展をやったら?」とか言うのです。それに影響されているのか妹も同じことを言います。それが最近どんどん嫌になってきました。なぜ人が病気になってもまだプレッシャーをかけるようなことを言うのでしょうか。なぜ人が好きでやっていることの取り組み方にアドバイスをするのでしょうか。せっかく楽しいことをやっていても水を差されたような気持ちになります。

うちの家族は劣等感の裏返しなのか、野心が強いのです。もっと純粋に楽しむことを知ればいいのにと思うのですが、何かにつけ上昇志向が顔を出します。「楽しそう。」とか「面白いね。」とか心のままに感想を言うことも下手です。父に何か趣味をすすめても「腰の調子が良くなったら」などと言います。別に私は調子が良くて趣味やってるわけじゃないのに…。父も器用で本来は物を作ったり描いたりしたかったようですが、そういう趣味はありません。何かを作ったり発信したりすることの一側面しか見ないで、簡単に言わないでほしいのです。

私が次々に新しいことに没頭する気質なのは親も知っていますが、面倒を避けるには自分がやっていることの情報を与えないのが一番いいのだと思いますし、むやみに知らせないようにはしています。が…それでもつい話してしまうのが自分の毒されているところだなあと思います。親の評価を求め、プレッシャーを与えられ、撃沈…というのは子供のころから変わっていない気がします。

父には「私は気の病がひどいから、楽しいことしてないとやってられなくてやっているだけよ。」と言いました。そしたら「負担のかかることは無理なんやね。」と返ってきました。がっかりさせたかもしれませんが、言わなければ伝わらないと思い、やっとの思いで出た言葉でした。少しは理解してもらえているといいのですが。

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