病院でのカミングアウト

Twitterの私のプロフィールを見ればわかることなんですが、このブログであえて明示しない理由もないので書いておくと、私が一緒に暮らしているパートナーは女性です。
結婚離婚の経験について前に書きましたが、特に男性嫌いになったとかでもなく、今のパートナーは女性なのです。日本で結婚は現在は不可能ですが、もう10年一緒に暮らしています。

著名人のカミングアウトが話題になる昨今ですので、こういうことはあまり驚かれない世の中になってきているかもしれませんが、当人たちにとってそれを口にすることは、それはそれは多大な勇気を必要とすることがほとんどです。私の場合は家族にも昔からの友人たちにも一切打ち明けていませんが、Twitterなどで知り合った人たちには最初からオープンにしていますし、同じく同性同士でお付き合いや同棲をしている仲間はあちこちにいます。(でも病気のことはその中の一部の人にしか話していない)

人に打ち明けづらいことが私生活の大部分を占めているというのは、結構なストレスになります。自分たちの関係を話す機会があるたびに「姉妹」だとか「友人とルームシェア」だとかお茶を濁すことになり、家族が家に来るとなれば部屋の中をカモフラージュし、「結婚はしないのか」と聞かれれば「もうこりごり」だと言い、どちらかの身に何か起きたら最悪家族扱いしてもらえないかもしれません。そういうことが日常的に付きまといます。「アウティング(暴露されること)」への恐怖もありますし、カミングアウトすればひどいことを言う人だっています。
このようなストレスを抱え続けて精神を病んでしまう同性愛者は数多くいるようです。私生活に加えて病気のことも打ち明けづらいとなると、あちこちに壁を作ることになります。

私は精神科へ通院を始めて少し経ってからでしたが、主治医に「一緒に住んでる人がいて…女性なんです。」と伝えました。先生は「女性なんですか?」と少し驚いてはいましたが、特に何か変わることもありませんでした。私の調子が悪かった時に彼女に診察室に同席してもらったこともありますが、その後は彼女との日常のことやそれぞれの家族とのことなども相談しやすくなりました。秘密を持たずに相談できるようになったことで、気持ちがいくらか軽くなりました。
ちなみに性的違和で治療をする人もいるので先生はLGBTについてご存知かもしれないと思いましたが、同性愛者と少し混同されているようでした。男性になりたいわけではないのだとお話ししました。

何かと血縁を重視される日本ですが、最近は同性パートナーを家族とみなす制度が色々できてきました。病院でもカップルのどちらかが入院した時などに家族として扱ってくれるケースもあるみたいです。血縁者に限らず、もしもの時は自分の本当に信頼できる人に託すことができたらいいですね。

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