野良猫の観察

私は今1匹の猫と一緒に暮らしていますが、この子と出会う前に夢中になった猫がいました。それは近所でたまたま出会った野良猫でした。

茶トラで口の周りと胸と足先が白の小柄なオス猫で、出会った時にいきなり猫の方から近寄ってくるほど人懐っこい子でした。どこかの飼い猫なのかとも思いましたが、毛が汚れていて時々怪我もしていたので、野良猫なのだろうと思いました。
ちょうど私が住んでいた部屋の窓から駐車場や古い家屋やブロック塀が見えていて、そこはその猫のテリトリーなのか、よく姿を見かけました。いつも同じ時間帯に同じ場所にいるのです。それで私はその猫の観察をするようになりました。

手帳に猫のスケッチや特徴を書いたり、家の近所でよく見かける場所をマッピングしてテリトリーマップを作ったり、何日の何時にどこで何をしていたのか、見かけるたびにメモをしたりしていました。これはその一部です。

細かな行動観察は10日間ほど続きました。姿を見かけなくなった時期もあったりして、いつも会えるとは限りませんでした。でも毎日大体同じスケジュールで行動をしていることがわかったので、居場所の見当をつけることはできました。

ある日、見知らぬ中年女性がエサを置いているのを見てしまって、私はショックを受けました。その女性はどこからかやってきて、いつも同じ場所にエサを置いているようでしたが、私は接触することはなく観察するだけにとどめました。

私は猫の姿を見るとただ近寄って話しかけるだけでしたが、この子は私の姿を見ると、車の下に寝ていても起き上がって出てきてくれて、ブロック塀の上にいても降りてきてくれて、遠くにいても走り寄ってきてくれました。私は確かにこの猫に友情を感じました。いえ、友達以上だったかもしれません。窓の外に姿を見つけると、会いに行きたくてしょうがありませんでした。

保護して飼いたい気持ちはもちろんありましたが、ペット禁止の部屋に住んでいたので、それはできませんでした。そもそも野良として成長している子を家の中で飼うのは、猫を飼ったことがない人間には難しいのではないかとも思いました。

しばらく姿を見なくなって、久しぶりに会った時、猫は随分痩せて病気になっているように見えました。捕獲して病院に連れて行こうかとか、猫保護団体に連絡しようかとか考えたのですが、駐車場で昼間に横になっているのを見たのが最後で何もできずじまいでした。誰かに拾われて、今は元気にしているのならいいのですが…

私は子供の頃から犬や猫が大好きでしたが、この子との出会いがきっかけで保護される犬や猫のことに興味を持ち、各地の動物愛護管理センターに出向いたり、愛玩動物飼養管理士の資格を取ったりしました。そして、ペットを飼える部屋に引越したのを機に、猫保護団体から1匹引き取って一緒に暮らすようになりました。

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